読書感想文2020
K.Iさん/心

課題図書:

西の魔女が死んだ

著者:

梨木 香歩

 おばあちゃんが亡くなり、主人公のまいは二年前の出来事を思い出します。おばあちゃんに提案された「魔女の修行」をしたことや一緒にご飯を作ったり、洗濯をした時のことです。おばあちゃんの家につき部屋に入り白い布をかぶせられたおばあちゃんを見て、まいはショックを受けました。まいはおばあちゃんと最後にケンカをして別れ、以前のように「おばあちゃん大好き。」と長い間言えず、後悔していた時に起こった出来事だったのです。
 私もまいと同じような後悔をしました。今年の春に祖父が亡くなりました。私の祖父は普段の生活だけでなく、病気にも正々堂々と戦う、私の尊敬していた人でした。また、祖父はたくさんのことを教えてくれたので、私は祖父が大好きでした。私はまいと違って普段から「大好き」という言葉は伝えられていましたが、様々なことを教えてくれたことに対しての感謝の気持ちを伝えられていなかったと思います。その後、祖父は入院することになりましたが、コロナウィルスの影響により、病院を訪問することができなかったため、感謝の気持ちを伝えられないまま祖父は亡くなってしまいました。私は祖父に「いつもありがとう」この一言を言えていれば、どれだけ良かったかととても後悔し、深く反省しています。このような経験から私は、人はいつ死んでしまうのか分からないと実感したので、感謝の気持や謝りたいことなどはその場その場で伝えなければ後悔することになることを学びました。私は普段から家族や友達にも「ありがとう」や「ごめんなさい」を伝えなければならないと改めて実感しました。
 また、まいがゲンジさんという近所の人があまり好きではなく、「あんなに汚らしいやつ、もう、死んでしまったらいいのに。」とおばあちゃんに言った時、頬を打たれた所が印象に残りました。その直後、まいは自分よりもゲンジさんの方を大切に思っていると勘違いし、いじけた態度をとってしまったが、おばあちゃんはきっとどのような人に対してもその人の「死」は望んではいけないと教えたかったに違いないと思います。これをきっかけに二人の仲が少し悪くなってしまうのですが、確かに私もおばあちゃんが頬を打つことがなければ、そこまでは仲は悪くないと思いましたが、おばあちゃんが怒ったようにどれ程仲が悪くて相手のことが嫌いだとしても決して、人の「死」は望んではいけないことだと思いました。
 最初にも記載しましたが、この物語に出てきた「魔女の修行」、これは生活リズムを整えることや自分で何でも決めるというおばあちゃんの指導内容です。まいはいじめを受け不登校になってしまったため、お母さんがおばあちゃんの家に連れて行きました。だから「魔女の修行」はまいが学校に行きやすくするためにおばあちゃんが考えたメニューだと思います。このおばあちゃんのあたたかい優しさはとても素敵だなと感じました。そして「渡りの一日」ではその後のまいの物語が書かれていますが、そこにまいの成長が見られたことにはおどろきでした。それは二つあります。一つ目は、学校に行けているということです。転校先でショウコという新しい友達もでき、楽しい学校生活を送っていました。二つ目は、自分で何でも決め、実行しているということです。友達のショウコが、まいはいつも自分が立てたプランは実行すると話していました。おばあちゃんの優しさがまいを成長させたと考えると改めておばあちゃんの偉大さを感じました。私も早寝早起きや自分で何でも決めることはあまり得意ではないので「魔女の修行」にトライしてみようと思いました。
 普段から感謝の気持ちを伝え、後悔のない生活をするとともに、まいのように努力して家族や友達に自分の成長を見せたいです。


《講評》

 「死」や、これからの生き方について深く考えたすばらしい読書感想文です。自身が祖父を亡くしたときのことを思い出し、祖母を亡くした主人公の気持ちに共感するとともに、ふだんから感謝や謝罪の気持ちを伝えることの大切さや、人の「死」を望んではいけないことに気付くことができました。また、祖母による「魔女の修行」によって、大きく成長した主人公のすがたを見て、これからは自分自身も「魔女の修行」に挑戦し、努力して成長したいという前向きな気持ちを示しているのも良いです。これからも、一日一日を大切にし、努力を重ねて大きく成長してください。