本を読むことが、読書なのではありません。
自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。
長田 弘(詩人・児童文学作家)『読書からはじまる』より
今年も多くの応募作品が集まりました。本の主旨をよく理解して自分の言葉で感想や意見を述べることができています。
今回の読書感想文を通して、みなさんは多くの「失いたくない言葉」を心の中に蓄えました。主人公の行動やストーリーに心を動かされ、次に行動するための糧を得ました。
今年はコロナ禍という疫病にみまわれ、みなさんやご家族、そして先生方もこれまで経験したことがないような社会生活を新学期から強いられています。
感染を防ぐために「3密」を避け、今までのようにみんなで集まって勉強や運動をすることも制限されています。会話もマスク越しです。ゴールデンウイークも夏休みも自由に行動できなくて、去年までとはちがったお休みでした。たしかに、いつ終わるのかもわからない状況で毎日暮らすのはつらいものですが、私たち人類はこれまでも多くの疫病と戦い、それを乗り越えてきました。
今年の読書感想文の入選作品のタイトルの中には「今の私たちにできること」「人を支える」「支えてもらうこと」「毎日を大切に生きる」など、まさにコロナ禍で生きるために、そして乗り越えるために大切な言葉が出てきます。
それは「今の私たちにできること」を考え、感染した人を非難中傷するのではなく、「人を支える」こと、そして私たちを必死になって支えてくださっている医療従事者の方々に感謝し、コロナ禍にもめげずに「毎日を大切に生きる」ことです。
今年も、みなさんは読書感想文で大切なことを学ぶことができました。
さあ、「自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだす」ために、これからも読書を続けていきましょう。![]() |
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