受験生と保護者の「第一志望こだわり」体験!

全力でソフトボールに打ち込んだ。そのおかげで、私は粘り強くなったと思う。

二月二十一日、学校で適性検査の合格発表が行われた。一人ずつ、どきどきしながら呼ばれるのを待っていた。
私が受けた京都市立西京高等学校エンタープライジング科の倍率は、およそ二倍。狭き門だった。実際、西京の過去問をしていても、あまり芳しくない結果だった。試験会場から、ため息が洩れるほどだった。
いよいよ、担任の先生から結果が言い渡される順番が来た。
「まあ、自分の目で見て。」
と、先生に言われた。
適性検査合格通知書とあった。
信じられなかった。まさか、自分が受かっているとは思ってもいなかった。
努力が報われた、と本当に嬉しかった。

受かったことで、感謝する気持ちから、いろいろな場面が鮮明に思い出された。
それは、小学五年生の時のことである。
成基学園で三者面談をした。私はスポ少のソフトボールチームに所属しており、勉強を疎かにしていた。宿題をこなすのがやっとだった。
「野球を続けるか、受験をするか、二者選や。」
アストロのN先生の力強い言葉だった。大切な何かに気付かせてもらったような気がした。今のままでは、すべてが中途半端になると、その時思った。
野球は続けたいし、キャッチャーをしていたので、チームメイトを裏切れないと。
そして、私はソフトボールを選び、トップ高ジュニアコースに移った。この選択は正しかったと思っている。全力でソフトボールに打ち込んだ。そのおかげで、私は粘り強くなったと思う。
そして、それは今回の高校受験にも役に立ったと思う。西京高校の問題は、とにかく数が多かった。それを乗り切るためには、何よりも粘り強さが必要だった。毎日の勉強もそうだし、長文に挑戦するのもまたしかりだった。

中学校では、野球部に所属した。
一年生で、ピッチャーを任された。二年からは監督が替わり、土日祝日は休みがなく、朝から晩まで野球漬けで、また、勉強と野球の両立が厳しくなった。
しかし、私は毎日野球の練習を休まず通い、努力の甲斐があり、公式の大会で一勝することができた。これは、私の中学校では六年ぶりの快挙といわれた。
そして、夏の大会が終わって部活動を引退し、そこからは、毎日成基へ通う決意をした。家にいると、つい怠け心がついて、テレビを見たりゲームをしたりしてしまうからだ。授業のない日も、仲間とともにもちろん通った。

夏休みの合宿は、楽しくもあり苦もあった。
五日間の朝晩の勉強漬けは、私にとって初めての経験だった。
さらに、日曜進学教室にも休まず通った。成績は伸び悩んだが、着実に基礎力がついたと思う。
正月特訓にも行った。その時は、基礎力は上がっていたが、応用力がなかった。適性検査は応用力が必要だと思っていたので、正月特訓で応用力に自信がついて良かったと思う。

私が受験において大切だと思うのは、N先生の言われた、
「受験の敵は、自分の怠け心」
の言葉だ。これを肝に銘じ、自分を変える勇気と粘り強さ、感謝する心だと受験を通じて実感した
私は、とてもたくさんの人にお世話になったと思う。
いろいろなことを、はじめに気付かせてくださったN先生、英語の楽しさを教えてくださったH先生、授業のない日も熱心に英語を教えてくださったO先生、野球を貫いた子は絶対に受験に勝てると言ってくださった担任のW先生、アストロの先生方、野球部の監督、そしていつも支えてくれた家族。
西京高校に入学し、人の役に立てるような人間になれるよう、今回の受験で学んだことを活かして、更に努力を続けていきたいと思う。