受験生と保護者の「第一志望こだわり」体験!

世界中の人々を幸せにしたい…。受験を通じ、心を成長させてゆく

「残り時間、五分です。」
あと五分しかない。私はあせった。一月十五日の本番。得意な算数の解答用紙に、少しだけ空白がある。絶対にうめたいと思ったが、空白にしてあった問題は、私が苦手とする論理系問題だった。私は、結局、あせりが原因で、解答用紙に空白をつくってしまった。
私は、残りの教科で点数を取らなくては、と思い、理科と社会で満点を取るつもりで、問題にいどんだ。理科と社会はしっかりでき、見直しをする時間があったほどだ。
しかし、昼食をはさんでからの、実技の家庭科が最悪だった。自分では、正直、楽勝だと思った。一つ一つはとても簡単な作業だったからだ。しかし、時間は思った以上に短く感じられ、作業のと中で回収となってしまった。
「ああ。落ちたな。」
と思った。くやしかった。生まれてきてこれほどくやしいと思ったことはないだろうと思うほど、くやしかった。
家に帰り、部屋にこもって、泣いた。本当に、泣くほどくやしかったのだ。次の日は、別の中学校の入試だったから、早く寝ようとした。けれど、第一志望校の結果が気になって、なかなか寝つけなかった。

一月十七日。合格発表の日だ。私は結果がこわくて、母にたのんで一人でいってもらった。結果は電話で伝えられる。プルルルルルル。かかってきた。いそいで受話器を取り、話しかける。
「もしもし! お母さん!?」
そしていきなり。
「おめでとう。」
時が止まったかと思った。ひざががくがくする。信じられない。でもこれは現実。今まで成基学園でがんばってきてよかった。私はその時、そう思った。

私が成基学園に通い始めたきっかけは、受験とは全く関係なく、ただ学校の勉強だけだったらおもしろみがなかったからであった。その時は、受験する、ましてや志望校のことなんて、考えもしなかった。
しかし、六年生になると、普通の地元中学校に行くと、またおもしろみがなく、たいくつになるのだなと考えた。だから、真剣に志望校を選び、第一志望校が京都教育大学附属京都中学校であった。理由は、中学から高校へ内部進学する時にも受験をするので、塾をやめ、中学に入っても、だらけずにいられると思ったからだ。

しかし、その目標にたどりつくまでには、その時苦手だった、算数を克服しなければならなかった。
私は、不注意なミスが多く、テストの点も悪く、どうしても算数が好きになれなかった。でも、算数科のN先生が丁ねいに教えてくださり、解き方も覚えることができた。そのころから、成績も上がり、安定した成績のままで、入試にのぞめたので、合格できたのだと思う。

私には、夢がある。薬剤師になって薬を開発し、世界中の人々を幸せにするという夢が。その夢をかなえるためには、一つ一つの物事に対して、しっかりと対処しなければならないし、勉強はもちろん、人の心を大切にできるようにならなければいけないと思うのだ。
私は、受験は、この目的を達するための、一つの門だと思う。その門をくぐりぬけたら終わり。そんなことではないのだ。だから、その門をくぐりぬけることによって、私の心が成長していくと思う。

最後になりましたが、私が受験に成功できたのは、成基の先生方、家族、友だち、仲間という、たくさんの方々が私を応援し、はげましてくださったからだと思います。本当にありがとうございました。私はこれからも、成基学園で学んだことを活かし、夢に向かってがんばっていきたいと思います。
みなさんも、夢をかなえるためにできることを考えてみてください。