受験生と保護者の「第一志望こだわり」体験!

あきらめず、ひたすらやり続ける! あこがれの学校に向けて全力投球!

「合格おめでとう。」
この言葉を担任の先生から聞いた時、一瞬、時間が止まったようだった。
その時間から、少しずつ解き放たれていくうちに、三年間の努力の日々を思い出した。そして、言葉に表せないほどのうれしさと先生方や家族、そして、あの言葉への感謝の気持ちが込み上げてきた。

私は中学入試で失敗した経験がある。小学生ながらも、やはり悔しかった。もう二度とこんな悔しい思いはしたくない。だから、高校受験は必ず、第一志望校に合格してやると思った。それで、成基学園中学部に入塾することを決めたのだ。
私は個別の塾に通っていたことはあったが、団体の塾は初めてだった。入塾してすぐは緊張していたが、何回か通っているうちに自然と馴染めていった。友だちもでき、お互い励まし合いながら、勉強できた。

私の得意科目は、英語だった。小さい頃から英語を習っていたので、ABC…や簡単な単語は知っていた。そのため、一年の初めの頃は余裕を持って勉強できた。
しかし、塾の授業のスピードは速く、この程度の貯金はすぐになくなってしまった。授業に遅れないように、今までより、復習に多くの時間を費やした。

こんな生活をしていた頃、高校見学の案内が学校で配られた。そこで嵯峨野高等学校と出会ったのだ。私は母と一緒に見学会に出席した。見学会では系統別にカリキュラムや行事について説明があった。
その中で一番興味があったのは、国際文化系統の「一日英語合宿」というものだ。この合宿は名前の通り、英語しか話してはいけない合宿なのだ。前にも書いたが、私は小さい頃から英語を習っていたので、この合宿はとても興味深かった。そして、見学会の帰りに、私は思った。
「嵯峨野高等学校に行きたい!」
と。明確な志望理由は、この頃はまだなかったが、自分の体全体が、嵯峨野高等学校に行きたいのだ、と言っているような気がした。この時から私は、第一志望は嵯峨野高等学校だ、という思いで勉強し出した。

こうして徐々に目標ができ、自分の勉強スタイルが整ってきた頃には、もう二年生になっていた。今までの勉強スタイルを崩さないように努力していたが、やはり、二年生になると塾の授業数が増えるため、時間に追われる日々が続いた。苦しい時もあったが、時間を有効に使うことで、なんとか自分の勉強スタイルは崩さずに生活できた。何かと何かの間の短い時間を大切にすることが、生活維持のポイントだったと思う。

あっという間に一年が過ぎ、私は三年生になった。とうとう、受験の年だ。
私の感覚では、三月や四月の頃はわりとゆっくり時間が過ぎていたのだが、五月からは一気に過ぎていくようだった。あの時、こうしておけば良かった、などと言っている暇はない。夏期講習や合宿、模試など、やるべきことがたくさんあった。合宿が終わると日進が始まった。成績が悪く、落ち込む気持ちもあったが、必死に抑え、復習に集中した。苦しい時は、塾の友だちのことを考えた。みんなも苦しいけれどがんばっているんだ、と自分を励ました。すると自然に成績は上がっていった。

こんな良いことばかりを書いてきたが、授業や家で過去問を解いてみると、なかなか思ったような結果は得られなかった。受験日が近づくにつれてあせりも出てきたため、もう無理だ、合格なんてできない、と頭も心もいっぱいいっぱいになってしまった。そんな状態のまま、私は年越し「正月特訓」に参加した。
そこで、私は国語の先生から、松下幸之助さんのある言葉をもらった。この言葉に私はとても勇気づけられ、前向きに受験に向けて勉強できた。もし、今、気持ちが落ち込んでいる人がいれば、ぜひ読んでほしいのでここに書こうと思う。

もし、あなたが負けると考えるなら、
あなたは負ける。
もし、あなたがもうダメだと考えるなら、
あなたはダメになる。
もし、あなたが失敗すると考えるなら、
あなたは失敗する。
世の中を見てみろ、最後まで成功を願い続
けた人だけが、成功しているではないか。
もし、あなたが勝てると考えるなら、
あなたは勝てる。
向上したい自信を持ちたいと、
もし、あなたがそう願うのなら、
あなたはその通りになる。
人にできて自分にできないはずがない!
さあ、再出発だ
強い人が勝つとは限らない
すばしこい人が勝つとは限らない!
『私はできる!』
そう考えている人が、
結局は勝つのだ!

私はこの言葉を聞いてから、絶対にあきらめない、と心に誓った。この気持ちが合格へと導いてくれたのだと思う。

人はあきらめたら、そこで終わりだ。何かに失敗した時、そこであきらめたら、それは失敗になる。でも、あきらめず、成功するまでやり続けたら、それは成功になる。
私の人生は、高校受験がゴールではない。スタートなのだ。これから、失敗することもたくさんあるだろう。でも、最後まであきらめず、夢を追い続け、成功を勝ち取りたい。