読書感想文2017
Y・Kさん/知美に習った夢への方法

課題図書:

夢は牛のお医者さん よろこびもかなしみも夢になる。

著者:

赤羽 じゅんこ

 もう会うことの出来なくなった牛たちとのなつかしい日々や、今は誰もいなくなった小学校で過ごした思い出の日々。その日々がなくなったのを苦しむのではなく、自分のはげみとしていく知美の強さに、私はたくさんの勇気と、大きな力をもらった。
 私が三年生まで過ごした小学校は来年からはとなりの小学校と統合する予定で取り壊しになっている。壊されていくのを想像するたび、心に水をふくんだスポンジのように悲しみが奥深くまで広がった。でも、知美は私みたいな弱虫とはちがった。もちろん悲しさをなげくこともあった。でも、強子、元気、モグタンたちと過ごした日々を忘れず、強子たちが喜ぶような獣医になることを決意した知美は、悲しみではなくて前進していく喜びの方が頭にあっただろう。もし私が、知美と同じ立場にいたら、きっと立ち直れないでいただろう。夢を追いかける幸せを感じている知美のように、自分の求めている人物像になれるように、私も悲しみにひたるだけでなくて、もどれないという苦しみを越えて、いつかその夢を叶えたい。
 そして、夢に向かっていくために、努力を欠くことなく、一つ一つのことを確実にこなす知美に、大きな勇気をもらった。どんなに苦しくても、牛たちを助けたいという心をなげたりしないその姿に、私は何度感動の涙を流したのだろう。私には、小学校教師になりたくて、国立の大学に行きたいという、しっかりとした夢のわく組みが心の中にある。だから、知美のように、夢に向かうための準備をもっと一生けん命やらなくてはならない。そういう気持ちが知美の努力から伝わってきた。知美は三頭の牛たちに、自分の努力で「有難う」の気持ちを返したんだと感じた。私も、古里に恩返しできるようになりたい。その大きな第一歩となる力を牛が知美にあげたように、知美からもらったのだ。
 知美は私のとまどいを消し、夢の階段を上っていってごらん、そう言ってくれたような気がした。そして夢はどこまでも広がっていることを伝えてくれたのだ。また悲しみだって、乗りこえていけば、夢への第一歩となることも教えてくれた。だから私は、これからどんなに苦しいことがあっても、「悲しみは夢の階段の一段目」ということを忘れずに前向きでいたい。いつかその夢を叶え、知美に、あなたが私に夢を広く本当に、誠の方法を教えてくれたんだよ、そう胸を張っていえるような立派な人間になることを全力でがんばろう、そう心の中で強く誓った。


《講評》

 かわいがっていた牛と別れた悲しさを乗りこえ前進する「知美」の姿から、どのようなメッセージを受け取ったのかを、明快に述べることができました。悲しい出来事を「はげみ」や「夢への第一歩」に変えられること、どんなに苦しくてもそれが夢につながっていくことを読み取ることができています。Kさんが今感じている悲しみや小学校の教師になりたいという夢に、「知美」の生き方が大きくえいきょうし、前向きに努力していこうという気持ちにかわったことが伝わりました。夢をかなえるために前向きに進んでいこうという、Kさんの力強い決意がとてもよく表現されています。「知美」のように夢を追いかける幸せを感じながら、目標に向かって努力したい気持ちがよくわかる感想文になりました。